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「許す」「忘れる」「受け入れる」の美学

評価:
岡田准一,櫻井翔,酒井若菜,岡田義徳,佐藤隆太,山口智充,宮藤官九郎
¥ 3,100
(2002-06-28)
 3月30日の記事の後、続けてさくさくっと
 木更津キャッツアイ・ドラマシリーズのレビュー
 をあげるつもりだったんですが、なんか色々と
 あって間が空いてしまいました。
 そう、「ワールドシリーズ」を改めて鑑賞するべく
 ドラマのおさらいをしているので、「いまさら?」
 「なぜ今?」とおっしゃらずおつきあいください。

 そもそものきっかけは
 「(映画の好きな)お友達にキャッツを貸そう!
  ワールドシリーズだけでも見てもらおう」と思って先日
 ワールドを見返したことです。
 確かに、ワールド単独でも楽しめることは楽しめる。
 ドラマを見てなくても、全く意味わからないとかいうこと
 はない。
 ただやはり冒頭…。
 最初の5分に関して、ドラマを見てると見てないのとでは
 エンジンのかかり方が違いすぎる。
 初見の人は「いったい、何の韓流パロディだろう?」と、
 首をかしげるばかりだと思う。
 「オジーもどき」に思いっきり引く人もいるでしょう。
 ドラマを見た方からすると
 「眞露!眞露!」
 という間違った掛け声といい、似ているようでもどこか
 気持ちの悪いBGMといい、おかしい!というか嬉しい!
 というか、とにかくたまらないと思う。
 映画、というのは冒頭の15分がとても大事だと考えている
 ので、そこでドラマ「見た人」「見てない人」とでここまで
 温度差が開いてしまうのは、いかがなものかと。
 そう思うと「ワールド、本当にいいから一人でも多くの人に
 薦めたい!」という気持ちとは裏腹に「でも先にドラマの方
 を見てもらわないと話にならんよなあ」という思いが邪魔を
 して薦めきらない…しかしドラマ版までどさどさと貸し付け
 るのは先方に迷惑ではないだろうか…
 というわけで、言いたいのは
 「騙されたと思って1度ドラマシリーズを見て!9話しか
  ないから。んで、日本シリーズとばして問題ないから、
  ワールドシリーズを見てください!!」ということです。
 GWにこれといって予定のない方、ぜひお近くのレンタル屋
 で100円の時にまとめ借り、などして、お宅でのあなたの休日
 をゴールデンにしてみませんか?

 などというへたくそな勧誘文句はともかく。
 本当は3回〜9回の1話ずつの感想と岡田君的ツボを書き連ね
 る予定でしたがあまりにも長くなるのでやめておきます。

 全9話を通しての最大の山場は、ある大切な人の死が描かれる
 5回6回だと思うのですが、私はその描き方がなんといっても
 すごいなあと。宮藤さんは天才だなあと。


 (3巻・5回6回を収録)

 私としてはやっぱり、岡田君の出演作でまだ、総合点でこれを
 超えるものはない、と思ってしまうのです。
 作品としての香りが高い。
 物語としての力が強い。

 その人の死は他殺、しかも結構凄惨な形での殺人です。
 死体が棄てられている場面はかなりショッキング。
 中の人(登場人物)も外の人(視聴者たる私たち)もその人物
 を愛していたので、その死は辛くやるなせない。
 当然、殺した相手を憎いと思う…が宮藤さんは「犯人を憎い」と
 思わせる方向に持っていかない。
 お葬式の後のシーンで場面変わって「犯人達」のシーンになるの
 ですが、その犯人たちのあまりのバカバカしさに、一瞬にして、
 「に、憎い…」みたいな気持ちが砕かれてしまうのです。
 おまえら、アホかっていう。
 ひどい…絶対許せないぃ(涙)と盛り上がってた気持ちが瞬時に
 冷める。
 私はなんかもうそこにものすごくシビレてしまった。
 悲しい出来事をおびただしく悲惨に描くことはわりと簡単。
 また、登場人物を受け手に心の底から憎ませるように仕向ける、
 これもわりとたやすいことです。
 でも宮藤さんはそうしない。
 徹底的にしらけさせる。
 この死を描いたことで、物語はどんどん暗い側面へとすべって
 いくんだとばかり思っていたのに、そうはならなかった。

 犯人達はアホらしい報復を受け、アホらしい形で逮捕されてしまう
 のだけど、もうその頃には中の人も外の人を、憎むべき相手を
 「チッ…アホだな」くらいにしか思ってない。
 怒りとか恨みみたいな気持ちは空中分解して木更津の海の藻屑に。
 不在の寂しさだけはずっと引き摺りつつも。

 だいたい木更津の人々はすぐ腹を立てるがすぐ許す。
 なんでもすぐ忘れる。
 そして大概のことはなんでも受け入れる。
 そこが美しいと思う。
 いとおしいと思う。


 (2巻・3回4回を収録)
 ※私は3話目で、キャッツにハマりました。
  ケーシー高峰によるエロホモじじいが最高。


 (4巻・7回8回を収録)
 ※好き嫌いの分かれる7回8回(私はもちろん好き)。
  ヘルス嬢とあっさりデキてしまうあたりが女子の
  反感を買ったのか。  


 (5巻・最終回を収録)
 ※伝説の…伝説の最終回。
  この終わり方にももちろんシビレた。
  1話少ないぶん、特典映像満載ってことで。

JUGEMテーマ:日本のTVドラマ
夏生(なつを) * 岡田准一 * 22:13 * comments(0) * trackbacks(0)

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