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父のこと
JUGEMテーマ:介護

 認知症の父親についての記事で、排泄関係に
 ついても少し触れると思うし、明るい話題では
 なく私的なことに関する記事なので、苦手な方
 はどうかスルーしてくださいね。

 年末年始はずっと実家でした。
 三が日はデイサービスがお休みで、「父が行く
 場所もなく家に居なきゃいけない」という三日間
 で、本人にとっても家族にとっても、あまりありが
 たくも楽しくもないお正月。昔から出好きの父は
 デイサービスだろうがどこだろうがとにかくどこか
 に出かけたいし、家にいてもやることもできること
 もなくテレビを見る集中力すら失われてしまって
 いて、でも退屈はするので非常に面倒くさい。
 ただ、昨年、一昨年と比べるとだいぶ、楽には
 なりました。

 『不穏』という単語を辞書で引くと「形勢・世相など
 がおだやかでないこと。険悪」と書かれています。
 でも看護用語でいう『不穏』は、急に逆上して取り
 乱したり、怒鳴ったり、暴れ出したり、と興奮して
 手が付けられない状態になる、という意味のこと
 です。

 父はこの症状が頻繁で、施設で他の利用者さん
 に暴力をふるったり、大声を出して怖がらせたり
 して、帰宅を余儀なくされることが何度かありま
 した。家でも、それは主に母にぶつけられ(母も
 負けてはいないのですが…)、私も何度が酷い
 暴言を吐かれたり、殴りかかられそうになったり
 (みすみす殴られないけど)、物を投げられたり
 (よけるけど)しました。漏らした便の始末をして
 いる時にそういう状態になられたりするとマジで
 顔に紙パンツ投げてやりたくなる。特に、昨年の
 冬が酷かった。

 2014年の秋くらいから明けて2015年の2月くらい
 までがほんとに大変だった。だから昨年のお正月
 なんて少しも気が休まらなかったし、母も疲労が
 ピークでちょっと様子がおかしかった。去年の冬
 は辛くて長かった。

 今だから言えるって話で、父がこのまま生きて
 家族を苦しめ続けるのと、私が父を殺して警察
 に捕まり(殺して自分も死ぬ、という発想はない)
 迷惑をかけるのとだったら、どっちが不幸だろう、
 というのが頭をよぎることもあった。

 うちの父と同じく認知症で施設に入所されていた
 お友達のお父様が亡くなられたとの報せを聞け
 ば、悼む気持ちよりもまず羨む気持ちになった。

 正直、施設に入っていたこと自体が羨ましくて、
 そういう自分が浅ましく、人として底辺だな、と
 思った。だけどそう思うことを止められない。
 なんと罵られても構わない。

 ただ、親の借金や浪費癖に悩んだこともなく、
 罵声を浴びせられながら、物を投げつけられ
 ながら、親の下の世話をした経験もない人に
 非難されたくはないけど。同じ経験をしたこと
 がある人だけが私に石を投げなさいって思う。

 どんな状況であっても「生きてさえいてくれれば」
 「死なないでくれさえすれば」と思い続けることが
 できる人がいるのだとしたら、その方は素晴らしい
 人格者であり、愛情深い方であり、私のような底辺
 にとっては眩しすぎてお近づきになりたくないです。

 とにかくあまりに「不穏」の症状が酷いのでかかり
 つけの先生に頼んで、リスパダールという頓服薬
 を出してもらうようにしました。症状が出た時に服
 用させると、興奮がおさまるのです。普段処方され
 ている薬もグラマリールと抑肝散という漢方薬で、
 いずれも神経の高ぶりを抑える薬です。

 この薬のおかげか、昨年の5月くらいから徐々に、
 激しい症状が出ることが少なくなり、穏やかになっ
 てきました。「不穏」の時は独特の、剣のある鬼の
 ような形相になるのだけど、その表情が出ること
 も少なくなった。

 相変わらず多動で躁状態のことが多くこちらは
 あまり聴いていたくないようなこと(テレビに出て
 くる人への罵声とか)をずっと喋っているので、
 イライラはしますが、逆上されるよりはずっと
 マシです。

 本当に、人の心というものを全部絞り出して捨
 ててしまったのだろうか、と思うこともあったの
 だけど最近は「ありがとう」とか「世話になった」
 とか「すまない」とか「ごめんな」とか感謝や謝罪
 の言葉を口にするようにもなった。

 先日、夜中にトイレ誘導をした時、尿取りパッドが
 ずれていて、3時間前にかえたばかりのズボンと
 紙パンツとベッドの防水シートと全とっかえ、という
 羽目になった時、母がヒスを起こしていて、私も
 いい加減疲れていて、「なんでいちいち文句言う
 のよ!」と母には聞こえないように毒づいてたら
 「お前は悪くないよ。お前は悪くない」と父が言って
 くれた。びっくりした。昔のお父さんみたいだった。
 一年前には絶対に聴かれなかった言葉だ。 

 父の部屋を整理した時に出てきた大量のメモ書
 きを先日帰省した際に、まとめてじっくり読んで
 みた。それは2009年からの日付でおよそ半年
 ほど毎日、生活の記録を事細かに書きつけた
 メモで、セールスを含む来客の有無、かかってき
 た電話、食事やおやつ、排泄(大とか小とか書い
 てあるのが多分そう)、見たテレビのこと、等々、
 時刻付きで記されている。

 この頃から尿失禁の症状が出ていたらしく自分
 で尿取りパッドを購入したりもしていたようだ。
 おそらく日に日に怪しくなる自分の脳に不安を
 感じていて、記憶がなくなること、普通でない行動
 や言動をしてしまうことに恐れを抱き、書き留める
 ことで踏みとどまりたいと思ったのか。家族に疎外
 されていることへの寂しさや怒りの感情も吐露され
 ている。

 母、弟、私、にとっても、この頃は暗黒だった。
 何をするかわからない父が、恐ろしくてたまらな
 かった。大事な年金を、入ったそばから引き出し
 使途不明金にしてしまう父から私が通帳を取り
 上げて、この頃は月に3万の小遣いを渡してた
 はずだ。外に働きに出ているわけでもなくただ
 家にいるだけの父に3万?!使い道って何?!
 と思うが、しかしそれもあっというまに使って月末
 には小銭だけになる。一体、現役時代どういう金
 の使い方をしていたのだ、と思う。こちらが知らな
 いうちに誰にお金を借りにいくか、家を担保に金
 を借りてしまうのでは、家を売ってしまうのでは、
 闇金に手を出すのでは、という不安があった。
 
 あの頃に比べたら今は全然マシだ。ケアマネの
 方も、お世話になってる施設の方たちも、かかり
 つけの先生も、父の状態を理解して親身になって
 くれる。私たち家族だけで闘っているわけじゃない。
 父が穏やかになったのも、薬の作用だけではなく、
 そういった周りの人たちのおかげなのだと思う。

 でも、母だって老いてくる。父の症状だって今後、
 どのように進むのかわからない。不安はある。
 それについてのストレスは実家にいてもいなく
 ても常にある。

 ただ、どの状況にあっても、自分が不幸の渦中
 に取り込まれない、悲劇の主人公になったような
 気持ちにならないようにする、そのコツは、ただ、
 ひたすらに、「観察」しかないと思っている。

 なるほどなるほど、こういう状況の時には人は
 こういう反応をするのか、こういう反応されると
 自分はこういう気持ちになるのか、と。一つ一つ
 が生の資料であり、情報。特にユニークでもなく、
 だけど世界に一つのオリジナルの情報。

 怒鳴りつけながらでも泣きながらでも、「なるほど」
 と観察する自分を常にそばに立たせ見つめさせて
 記憶させておく。辛いと感じる一方で、その辛さに
 揺さぶられる私と揺さぶる状況と、双方を興味深い
 ものとして見る。静かに、ひたすら観察する。
| 日常・できごと | 17:20 | comments(7) | trackbacks(0) | pookmark |
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コメント
思わず「おつかれさまです」という挨拶から始めたくなりました(^^;お正月はそういう大変さがあるのですね。

私は親の介護問題については何の経験もない、何も言う資格ない人間ですので、このデリケートな問題にコメントすべきではないかもしれませんが…
『どんな状況であっても「生きてさえいてくれれば」』と思える人って、いるのでしょうか?
(いえもちろん、例えばマザーテレサのような人格者が実際にこの世におられるのは知っていますが、凡人において)
もしもそういう状況に置かれたら、どう考えても私だって「悼む気持ちよりもまず羨む気持ちにな」ります。少なくとも私は、そのような気持ちになることを「底辺」とは思いません。むしろ、そう思うくらいが、現実の我々の標準ですよね…??

| あゆき | 2016/02/07 12:12 AM |
☆あゆきさん

コメントありがとうございます。
お返事遅くなってごめんなさい。

そうなんですー。
「お正月休み、どうしてた?」とか
「どっか行った?」みたいなこと聞かれ
るとビミョーな気持ちに(笑)。


介護問題は一生関わりもなく経験もしなくて
済む人もいれば、今後経験せざるをえなくなる
人もいると思うので、何も言う資格がないとか
そんなことはないと思います。デリケートな
問題とも思ってないんだけど、ただ当事者の
精神状態がデリケートになってる時ってやっぱり
あって、今はそうでもないんだけど、昨年の冬
とか「大変だね」とか「頑張ってね」みたいな
言葉をかけられるのも嫌だったなあ、気が立って
たなあって思います。

>生きてさえいてくれれば

私はそういう境地になることは多分この先
一生かかってもないと思うんだけど、でも
仏教でもキリスト教でも、究極はこの、
「ただ生きている=それだけで尊い」という
所に到達する、ということなのではないのか
と思うのですが、どうなのでしょう。
精神修養を積めば「生きてるだけで尊い」
と実感する境地に至ることができるのか、
やはりマザーテレサのような人格者に生まれ
ないとそれは無理なのか。

このお話とは関係ないのですが、一昨日、
母とテレ東の素人さんのカラオケ選手権
みたいなの観てたら大ちゃんが審査員席
に座っててびっくりしました(笑)。
| 夏生 | 2016/02/12 3:49 PM |
夏生さん、こんにちは
寒暖差が激しくて 昨日今日はまた寒い日ですが体調を崩されているのでは、と、心配になってコメントさせていただきました

お父様のこと、お察しいたします
元気だった頃を知っていればこその葛藤を
(私の主人は脳梗塞後、暴力が自制できなくなりました。最近は良くなってきましたが)
もちろん、お父様とは同じではないのだけれど

ただただ、夏生さんが心安らかな時間を持てますように祈っています
Vさんのビデオも無事に発売されましたし
「ちかえもん」も佳境に入ってきましたし
笑顔になれる時間が増えますように
| さわ | 2016/02/17 9:37 AM |
お久しゅうございます。
まだまだ格闘の日々を送っていらっしゃるのですね。。。

薬はありがたいです。

母は医者にもかからず薬も飲んだことのない人で入所後しばらくは隠したり、舌の下に隠して吐き出したりしていたのですが 半年もたつと、私の薬は?と探しに来たくらいらしいです。

認知症は老化ではなく、病気と知り、薬で押さえられるのなら、それはそれで多いに活用すべきでしょう。ご本人も苛立ちや不安を除けるのなら、でもそれで、たとえそれで脳のどこかがより一層破壊されていくとしても、ひとつの救済の道だと思います。

私も 母が坂道とも呼べないところで加速し、顔面から道に倒れたとき、起こすよりもこの首根っこを踏みつけたろか。。と思いました。今でもその道を通るとその時の記憶がまざまざと蘇ります。

祖母も厳しい人で、小学校の頃だったと思いますが、このまま布団から出て、台所から包丁持ってきて刺そう、と考えていました。

今は 連れ合いが早く逝ってくれないかと願います。

罪深いです。常にだれかを殺したいと思っている自分が。


ところでちかえもん、さいこーですね。
赤穂浪士の場合は〜〜は爆笑しました。
知っている人少ないだろ!と’つっこみながら。
Don`t Miss it!も わろた。。。


3月中旬に銀座におります。
またお逢いできれば嬉しいです。
NHKで取り上げられていた 岸さんのカクテルBar、ご一緒しませんか??
| Salasa | 2016/02/17 4:23 PM |
久しぶりにお邪魔しました。

大変でしょうが、長距離走です。
共倒れにならない程度にご家族は息抜きをしてください。

じゃ またお伺いします。

| わだつみまる | 2016/03/29 1:02 PM |
夏生さん、お久しぶりです。
お元気ですか?
体調を崩されているのでは、と心配です・・・

最近、健くんが映画の宣伝でよくテレビに出てらして、
その度に夏生さんのことを思っております。
健くん、相変わらず美しいですね〜惚れ惚れします。

もうすぐ、夏生さんのお好きな季節がやってきますね!
毎日の中に、少しでも夏生さんの安らげる時間がありますよう、
お祈りしています。これからもいつも拝見しております。
| olive | 2016/05/23 1:32 PM |
ご無沙汰しています。
何度も何度も、コメントしていいものなのか迷いに迷い、夏生さんの状態が分からないので控えるべきかとも思い、しかしながらコメントの承認はされているので、とりあえずそこに一縷の望みを託して、今文字を打ってるところです。
そんな読者さん、きっと私だけじゃないはず。

最近剛くんが番宣よく出てますね。夏生さん観てらっしゃるかな、と勝手に思いを馳せております。

oliveさんのおっしゃるように、まもなく夏がやってきますね。草いきれの香りの気配がします。

季節の変わり目は好きな季節でも体調に影響を及ぼします。お体大事にされてくださいね。
| みた | 2016/05/28 12:43 PM |
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