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スジナシBLITZシアター(ゲスト:佐藤浩市)

JUGEMテーマ:演劇・舞台
 
 遅ればせながらの報告になりますが、これ、
 生で観てきました。パブリックビューイング
 でもいいかな、と思ったんだけど、縁あって
 チケットが入手できたので。

150302_184417.jpg

 3月2日、「スジナシBLITZシアター」の初日、
 赤坂BLITZにて。

 入口には鶴瓶さん宛のたくさんのお花。
 カサブランカの香りにむせ返りそうでした。
 

150302_184436.jpg

150302_184505.jpg

 この日、私が朝からどんなに緊張していたか。 
 だって、佐藤浩市初舞台よ!しかも即興芝居よ!
 俳優業35年、舞台挨拶以外の舞台に立ったことのない
 人が台本も設定もない即興劇に挑戦するのよ!

 開演時間が近づくに従って、緊張感が増してくるので、
 景気づけに、シャンパン、白ワイン、そして日本酒を各
 一杯ずつ流し込んでからいざ、会場へ。

 いい感じにほろ酔いでこれでふわふわした気分のまま
 楽しめるやも!と思いきや赤坂に着いて御手洗で用を
 済ませた瞬間に、素面に戻っていた。
 酔っ払い作戦、失敗。

 以下は感想とも言えない感想。
 DVDが発売されるとのことなので畳んでおきます。
 
 感想というか、私にはあのパフォーマンスを
 冷静に判断したり評価したりする、というのは
 無理だった。なので、人様のご意見を伺いたい、
 と帰宅後にネットで軽く検索してみたのですが、
 軒並み「爆笑!」「最高!」「浩市さんの表情が
 たまらなく可愛かった」「鶴瓶さん攻めまくりw」
 「音響係さん、冴えてた」というようなものばかり
 だったので、そうか、少なくとも不評ではなかった
 らしい、と胸をなでおろし。

 レギュラーの、番組の方のスジナシもそんなに
 観てたわけじゃないんです。深夜なので。ただ、
 何となく大筋は、大まかな前提や、お約束等は
 踏まえてはいました。

 ●鶴瓶さんとの二人芝居(エチュード)
 ●進行役に中井美穂(レフリー的役割)
 ●セットと小道具だけ用意されている
 ●それぞれの配役は不明(打ち合わせ不可)
 ●台詞、展開、すべてアドリブ
 ●舞台の模様を映像で振り返る反省会あり
  (プレビュートーク)
 ●タイトルは終了後に決まる

 また、「劇場スジナシ」においては、観客は笑った
 り拍手をしたりといったリアクションを一切禁じる、
 というルールもあります。
 
 そのような諸々を中井アナがひとしきり説明した
 後、ニコニコしながら「皆さん、たっぷりお楽しみ
 くださいねえ」とか仰るのですが、もはやいよいよ
 顔がこわばるばかり。こわい。帰りたい、もう速攻、
 帰りたい、なつを、おうちに帰る。だいたい何が、
 「お楽しみください」だ。こっちは楽しみになんか、
 来てねえんだよ、針のむしろなんだよ!と罪もない
 中井さんに心の中で八つ当たり(ごめんなさい)。

 そうして、ついに、名前を呼ばれ、舞台上に登場
 した浩市さん!!上手から歩いて現れ、た途端、
 胸を押さえて倒れた!膝から崩れ落ちるように。
 いやあああ浩市、しっかりいいいいいいいい!!

 でもわかるわかる、私も今そういう気持ち。座って
 いるのに倒れそう。軽口を交えながら鶴瓶さんと、
 この舞台に立つに至った経緯とか(何だかどうも
 酔った勢いでやろうよとか出してよとか言ったこと
 があるらしい)話しながらも心ここにあらずで落ち
 着きのない浩市さん。

 この日の浩市さんの服装は、レザージャケットに
 細身のジーンズ、グレーのTシャツの上にブルー
 のシャツを重ね着していたりで全体的に若々しく
 ロック。「少年メリケンサック」の秋夫ちゃんぽい
 雰囲気です。こういう格好してるとつくづく浩市、
 スタイルいい、と思います。デブだと思ってる人
 結構多いようなんですが、確かに痩せてはない
 けど、中高年男性としてはちょうどいい肉付きで、
 バランスのとれた体型ですよ意外と。顔小さいし、
 脚がまた長い。ジーンズとか履いてると余計に
 腰から下がすらっとしてるのがわかります。
 なんだけど長身でスタイルが良い、その体躯を
 持て余してる感じがなぜかある。

 そのような服装で来たのは、三谷幸喜さんから
 のアドバイスよるものなのだとか。「出る」って
 相談したら、「なるべくフラットでどうとでもなる
 衣装で臨んだ方が良い」と言われたらしく。また
 三谷さんには自分が出た時のDVDを観て勉強
 するようにと言われたようなんですが鶴瓶さんは
 「三谷、出た時撃沈してたわなー」とバッサリ。

 浩市さんが、スジナシ出演経験のある三谷さん
 に助言を仰いだ一方で、鶴瓶さんもまた、浩市
 さん情報を、宮藤官九郎さん、中井貴一さん、
 という面子から引き出していたらしく曰くお二人
 とも、「とにかく攻めろ」と。「攻めて攻めて攻め
 まくれ」と。…ドエス…。浩市さんがいつもどんな
 立ち位置なのか自ずと知れようってものです。
 しかし、三谷さん、中井さんとは相変わらず仲
 がよろしいようで、宮藤さんともそれなりに交流
 があるようで、ちょっと安心(親か)。

 この日のセットは、「ショーパブの楽屋」。照明に
 縁どられた鏡台が2〜3台、ソファーとテーブル、
 冷蔵庫、衣装かけにたくさんの衣装、背景は、
 いかにも繁華街な夜のネオンの景色。裏側に
 は小道具などもいくつか用意されています。

 まずどちらが板付き(舞台に初めからいる人)
 かだけを決めるのですが、これは指名を受けた
 観客の選択にゆだねられ、結果は鶴瓶さん板付き、
 そこに浩市さんが入ってくるという段取りに。

 あと音響、ボタンを押すと「猫の鳴き声」「犬の鳴き
 声」「女の悲鳴」「パトカー」「破壊音」「銃声」「歓声」
 「拍手」などの効果音が出る機械を、最初中井さん
 に任せるという話だったのが、これも客席から募集。
 両親と三人で観に来たという、大学生のお嬢さんが
 立候補され(度胸あるわー)中井さんの隣に座って、
 その役割をすることに。

 すべてが決まり、開幕。
 芸達者の鶴瓶さんはのっけから動き回り面白い
 動きをして客席を笑わせにかかる。ここにどう、
 浩市が入ってくるのか、どういうリアクションで、
 どういう台詞で登場するのか。注目の第一声は
 「あ、チェリーさん、まだいたの」でした。

 この「チェリーさん」が後に、プレビュートークの場
 において、爆笑のネタになるのですが、そんなこと
 まだ誰も知らない。とりあえず浩市は「携帯を忘れ
 て楽屋にに取りに戻った」、という設定で登場した
 ようです、無難。携帯はどこだそこだのやりとりが
 あり、鶴瓶さんの「お前、新しいネタそろそろ考え
 んとアカンで」の一言で、浩市さんがお笑い芸人、
 鶴瓶師匠が劇場支配人、といった役割が決定
 づけられてしまいました(浩市さんは別設定を
 考えてきていたらしいのだが)。

 この後はもう、中井貴一さんと宮藤官九郎さんの
 アドバイスを忠実に守ったものやら、鶴瓶さんが
 浩市さんにネタを振り、浩市さんがその無茶振り
 にひたすら答えるという流れに。

 浩市さんがやらされたネタは「ダメよ、ダメダメ」を
 始め、「ラッスンゴレライ」「あったかいんだからぁ」
 等の最近のものから「そんなの関係ねえ」「なんで
 だろう」等のカビの生えたものから。

 設定としては、浩市さんはテレビに出たことない、
 テレビを見ることもない、舞台だけでネタを披露
 する時代遅れの芸人さんで、でもそのネタは外
 でいつのまにかパクられ、それが大ヒットしたり、
 流行語になったり、とブームを巻き起こし時代の
 先端を行っているのだ、本人は知らないけど、
 というもので、その流れで、鶴瓶さんの振るネタ
 を言われるがまま実演させられ、最終的には、
 「今ここで、誰も知らない新ネタを披露しろ」という
 局面に追い込まれるという。

 これはまあ、強面で普段「ギャグなんかやらなそう」
 な浩市さん本人のキャラを大いに利用した、笑いに
 持ち込む手法としてはかなり古典的なものだと思い
 ました。昔、「笑いの祭典ドリームマッチ」の初期に
 ダウンタウンの浜ちゃんとロンブーの田村淳が組
 んだ際、「浜ちゃんがオーディションを受けに来た
 俳優、田村淳が採用する側のプロデューサー」と
 いう設定で、普段ドエスで通っている浜ちゃんが、
 田村淳からの屈辱的要求に従順に応え続ける、と
 いう、そのギャップと緊張感が笑いを呼び、確か
 優勝してたはずだけど、これはネタそのものより、
 お茶の間で通っている「浜田のキャラ」あっての
 ものという面が大きかった。

 鶴瓶さんの攻め方、引き出し方もこれとよく似て
 いて、浩市さんが普段から何でもやってくれそう
 な、気安かったり気弱そうだったりといったタイプ
 の人だったら別にこれそんなに面白くはならない
 と思うんですよね。作戦としては鶴瓶さんが攻める
 ことで守りに入った感がある。まあ、相手は初舞台
 も初舞台、しかも、俳優としては超ベテランなのに
 板ヴァージンという、かなり厄介な、デリケートな
 お相手だったので、守りに入らざるを得なかった
 のかも、とか。

 もう一つ、これが成立したのは、劇中の芸人さん
 の役とは逆に、浩市さんが意外とテレビを見てる、
 お笑い好きの人なので、「ネタ」に反応、対応でき
 た、という要素も大きかったと思います。

 とか冷静に内容を考察したりできるのは少し時間
 が経ったからです。上演中は、二人が舞台にいる
 間は、主に震えてました。ひたすら「早く終わって」
 「無事に終わって」と祈っていました。浩市さんが、
 立ち往生して「鶴瓶さん、もう無理、ごめん!!」
 とか言い出すことまで想定して涙目でした。

 実際、二人が即興芝居をやっていた時間は17分
 だったらしいけど、170分くらいに感じました。もう
 中井さん早くストップかけて!ってずっと思ってたし
 「もうやめて!これ以上は無理よ!これ以上浩市
 さまを、苦しめないで!」と志々雄対剣心との闘い
 に飛び出していった由美さんばりに鶴瓶さんの前に
 立ちはだかりたかったです。
 
 世の中にこんな恐ろしい、楽しめないエンタメが
 あったとは。17分間とにかくパニック状態にて、
 「こういち、がんばれ!がんばれこういち!!」
 「こうちゃん、がんば!!しっかり!こうちゃん!」
 「フレフレ!こ・う・い・ち!ファイトだこういち!」
 と心で泣きながら絶叫エールしてた。

 浩市さんが渾身の「新ネタ」を「階段ネタ」とやらを
 披露したところで、中井アナが「終了」を告げ即興
 舞台は幕を閉じ、続いてその映像を観客と出演者
 と司会進行と皆で、頭からモニターで観ながら、
 ところどころ鶴瓶さんが巻き戻したり、一時ストップ
 させたりしつつの、反省会トーク。これはもう、緊張
 から解き放たれて、腹を抱えて爆笑しながら観る
 ことができましたが。ちなみにこのトークの際に、
 タイトルが「パクられ屋」に決まりました。

 鶴瓶師匠も仰ってたけど、攻められ続ける、無茶な
 振りをされ続ける浩市が、要所要所で、ものっそい
 いい表情するんだなこれが。鶴瓶さん曰くの「見捨て
 られた子犬のような瞳」を、してみたかと思えば、人を
 殺しそうな目で鶴瓶さんを一瞬睨んだり、かと思えば、
 アホの子そのものの微笑みを浮かべてみたり。

 スクリーンで大写しにして改めて、やはり佐藤浩市
 は、映像映えする映像役者なのだな、と思ったり。
 別に舞台でそのパフォーマンスを発揮できていな
 かった、とかいう意味ではなく(全体的に無難では
 あったけど、冴えたアドリブもあり、立ち姿や身の
 こなしも綺麗で、台詞も聴きやすく、かなり健闘され
 てたと思うのです)、やはり顔をクローズアップした
 時の、表情いちいちがハッとするほど良くて、その
 ように大きな映像で見た時に表現としてのポテン
 シャルが発揮されるよう、磨かれてきた、キャリア
 を積んできた、というタイプの役者なんだなあと。

 大学生のお嬢さんの音響、効果音は、最初の方
 こそ鶴瓶さんにウザがられてたようなのですが、
 (と、鶴瓶さんがトークで仰ってた)、徐々に呼吸
 が合ってきて、最終的には絶賛されていました。
 音響さんの方も、途中、鶴瓶さんが執拗に浩市
 さんを同じネタで攻め続けるのがウザかったみた
 いで、女の悲鳴を急に入れたり、破壊音を出して
 鶴瓶さんを退場させるようもくろみ、下がったところ
 に銃声をかぶせて殺そうとしてみたり、と大胆に
 ストーリーに絡んできていて面白かったです。

 浩市さんの第一声、「チェリーさん」は鶴瓶さんに
 よってあっけなく無視され、バッサリと却下され、
 その「却下!」の表情、鶴瓶さんの冷酷な表情が
 アップになって映像のもと、明るみに出ていたの
 が、非常におかしかった。浩市さん的には鶴瓶
 さんを「チェリーさん」という芸人さんに仕立てた
 かったと思うんですけど、あんな目で無視された
 ら心折れるわ(笑)。その後も、浩市さんからの
 設定振りはことごとくスルーされ、内心「ああ、
 これもダメなんだ…」と落ち込んでたっぽい。
 可哀想!!

 会場に観に行っていたらしい、プロデューサーの
 貴島誠一郎氏の記事によれば、楽屋で浩市さん、
 「この年齢で新しいことに挑戦できるのは嬉しい」
 と仰ってたそうで。健気!立派!素晴らしい!!
 だけどもう二度と、浩市をこんな危険な目に遭わ
 せたくない!!てかもうこんな口から心臓が飛び
 出す思いをさせられるのは嫌です!!

 54歳にもなる受賞経験も豊富な立派な俳優を、
 どんだけバカにしてるんだろうと思われるかも
 しれないけど、いや違うんだ、バカにはしてない、
 愛ゆえです。多分に間違った、大いに歪んだ愛
 ゆえにです。

 今回痛感したのは、私はやはり、芸能人の中で
 は浩市さんのことを、一番愛しているのだな…と。
 たけるくんとかV6のメンバーがスジナシに出ると
 いったってここまで動揺しないもの。もっと手放し
 で楽しんで観られたと思うもの。

 とりあえず、この年になるまで舞台に立つことを
 拒み続けてきて、舞台挨拶以外の舞台に立った
 ことがなくて、その舞台挨拶だって終始挙動不審
 な浩市さんが、よくやったと思います。
 大したもんだよおおおおおお。こうちゃあああん。

 そして思いました。スジナシができたんだから即興
 でここまでやれたんだから、

 普通の舞台、できるよ!!

 次は三谷さん演出あたりでの、本当の意味での、
 「初舞台」「初挑戦」に期待してます。

 あと、他の方が演じた「スジナシ」も色々観てみたく
 なりました。賞を取ったという、大竹しのぶさん
 の回とか田中圭さんの回とか。知らなかったけど
 西川貴教氏も劇場版スジナシ演ってるのね。
 今回の、2日目の大島優子さん、3日目のマツコ
 デラックスさんがどうだったかも気になる。DVD
 は買うつもりです。

 終わって、飲まずにいられねえ!とブリッツから駅へ
 と続く大階段を下りてすぐのカフェバーみたいな店
 でとりあえず乾杯ワインをしていたら、お隣に座った
 女性二人連れがちょうど、同じ舞台を観た後だった
 みたいで、思わず耳をそばだてる。

 「あそこ笑った」とか浩市さんの背が高いとか若い
 とか服装の話とか「でもちょっと頭頂部が薄く…」
 とか(頭頂部の話はするなあああああ!)いった
 会話の後、話題はスジナシから、お気に入り俳優
 話に移っていき、盗み聞きはよくないと思いつつ、
 隣なので仕方ないので、引き続き耳をすませて
 いたら、どうもそのお一人は、松尾敏伸さんのこと
 を「とっちゅん」と呼ぶほどのコアなファンらしく、
 うう…話に入りてえ、「真珠夫人の種彦さん、最高
 でしたよね!」「フライダディフライの南方役も良く
 なかったですか」「ほんと綺麗なお顔ですよねえ」
 とか言いてえ!加わりてえ!とか思ったのだけど
 さすがに気味悪がられるだろうと思い、大人しく
 していました。お二人はその後「蒼井優とつきあって
 た、名前が出てこない、お父さんも有名な人であの」
 「蒼井優と似た若い女優と結婚したあの」と、なぜか
 大森南朋の名前が出てこないようで、これにもつい、
 「麿赤児の息子の大森南朋のことですね。ちなみに
 配偶者は小野ゆり子ですが、個人的には蒼井優と
 全然似てないと思っています」と口をはさみたくなる
 欲望を抑えがたくなったので、もう一杯を我慢して
 席を立ち、すごすご帰りました。
夏生(なつを) * 佐藤浩市 * 22:58 * comments(0) * trackbacks(0)

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