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小説・捨てていく話

JUGEMテーマ:本の紹介
 
 ひょんなきっかけで、松谷みよ子の「モモちゃん」シリーズを
 読み返してみたくなったのです。
 子どもの頃、大好きだった。

 「ちいさいモモちゃん」
 「モモちゃんとプー」
 「モモちゃんとアカネちゃん」
 「ちいさいアカネちゃん」

 「アカネちゃんとお客さんのパパ」
 「アカネちゃんとなみだの海」

 といっても、子ども時代に読んだのは「ちいさいアカネちゃん」
 までなんです。
 その後の2冊は、大人になってから、というか最近になって
 読みました。

 続きが早く出ないかなと待ち焦がれていた時があったのに、
 いつのまにか「モモちゃん〜」のことなど、きれいに忘れて
 しまっていました。

 なんで思い出したか、どうして読み返してみたくなったのかと
 いうと、先日の、ガンダムの富野さんが出たGrowingReed
 を聴きながらつらつらと岡田君について考えていて、それで
 ふいに頭に浮かんだ話があって。
 
 「そだつ木」と「あるく木」の話…。
 (「モモちゃんとアカネちゃん」に収録されてるお話です)
 ママが育つ木で、パパが歩く木。
 同じ鉢に植えたのではお互いが枯れてしまう。
 だから分かれた方がいいのだと。

 子ども心に、すっごい怖い話だと思いました。
 単純に、木が歩くのが怖かった。
 (その前に死神とかも出てきていたし)
 でも木が歩く、の意味はよくわからなかった。
 ただただ、怖かったんです。
 一緒にいたらいけないんだ、というのはよくわかりました。
 それでパパとママはお別れしてしまいます。

 あの続きが改めて読みたいと思ったし、あの時に感じた怖さの
 意味も知りたいと思った。
 それでたどりついたのがこの本でした。
 「小説・捨てていく話」。

 どうしてパパの靴しか帰ってこないのか。
 死神がパパの心臓にサインした意味。
 なぜパパが途中からオオカミとして登場するのか。
 あるく木の「金色のやどり木」とはなんだったのか。
 オオカミが小鳥たちに話聞かせてることの意味とは。
 そもそも小鳥たち、とはなんだったのか。

 当時全く意味を理解せず読んでいたこれらのことが、この本に
 松谷さんの「私小説」として描かれていて、何もかもすべてが、
 きれいに理解できました。

 なんだか子どものころに出題されていたなぞなぞが大人になって
 やっと解けた、ような気分。
 でも、そのなぞなぞの答えに爽快感はあまりなく、どろっとしていて
 さみしく、痛いものでした。

 「モモちゃん」シリーズが好きで、あの物語の底に流れていた
 なんとなく薄暗い寂しいかんじ、の理由を知りたい人は読んで
 みてほしいです。
 シリーズ最後の本である「アカネちゃんとなみだの海」のあとがき
 とともに読むと、それが何かわかります。

 でも童話の意味を知りたくなんかない、という人は思い出のまま
 しまっておいた方がいいかもしれません。
 
 それにしても、長い時間かけて完結したのだなあと改めて。
 最初の「ちいさいモモちゃん」が出たのは1964年。
 私もまだ生まれてない頃ですから、生まれた時にすでにこの本は
 この世に登場していたわけです。

 そして、最後の本が出たのは1992年。
 30年以上経っている。
 そりゃ読んでた子どもも大人になるわなあ(笑)。

 ああ、そう、余談ですがなんで岡田君で「そだつ木」「あるく木」なのか
 というと、岡田君は「そだつ木」だなあって、ふと思ったんですよね。
 離婚とか、あるく木とは一緒にいられないとか、そういう内容とは
 全く関係なく、岡田君は上に向かって伸びていく木なんじゃないかと。
 そして、創造する人、はすなわち破壊する人であって、私のイメージ
 だと「あるく木」。

夏生(なつを) * * 10:17 * comments(4) * trackbacks(0)

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コメント

懐かしいです。『モモちゃん』シリーズ。

小学校のときにモモちゃんの可愛らしさに惹かれて
読み始めました。が、その時は「モモちゃんとプー」
までしか読んでません。
大人になってから「モモちゃんとアカネちゃん」を
読んだら、内容がつらくてその先へ行けなくなって
しまいました。

子どもの頃に読んだ童話がそういうストーリーに
つながっていくことに抵抗がありました。

「小説・捨てていく話」
これも図書館で借りたことがあるのですが
結局読めずに返しました。
まだひきずってるんでしょうね。
ほんとは読んだほうがいいと、わかってるんですが。


漫画家の「槇村さとる」さんも私生活で苦しい時期に
作品を描くことで乗り越えてきた、とエッセイで
語っていらっしゃいましたが、松谷さんも
ひょっとしたらモモちゃんシリーズを30年かけて
書くことで乗り越えたのでしょうね。きっと。

だからこそモモちゃんシリーズのファンだったなら
最後まで読んで理解すべきだとは思うのですが、
まだ少しためらってます。機が熟すのをもう少し
待ってもいいですよね?
Comment by すなふきん @ 2009/10/30 1:05 PM
>懐かしいです。『モモちゃん』シリーズ。

女の子は、これ読んで育った、という方きっと
多いですよね。

>大人になってから「モモちゃんとアカネちゃん」を
>読んだら、内容がつらくてその先へ行けなくなって
>しまいました。
>子どもの頃に読んだ童話がそういうストーリーに
>つながっていくことに抵抗がありました。

そうですね…大人になって読むと余計に抵抗が
あるかもしれません。

>まだひきずってるんでしょうね。
>ほんとは読んだほうがいいと、わかってるんですが。

読んだ方がいい、なんてことはないと思います!
「モモちゃん〜」シリーズのふんわりした思い出
をそのままにしておかれたいなら、むしろ読まないで
ください、と言いたいくらいです。
私は、ずっと知りたかったんですよね。
「モモちゃんとアカネちゃん」を読んだのがまだ
子どもの頃だったから、まだ「なぜなぜなあに」の
頃なので、なんでも知りたかった時期で。自分の
場合は「知りたい」の方をずっと引きずってきた
から、だから読みたかったし、読めて満足したので。

>ひょっとしたらモモちゃんシリーズを30年かけて
>書くことで乗り越えたのでしょうね。きっと。

シリーズ最終刊のあとがきに「これを書くには時間が
必要でした」と書かれてるので、きっと。

>最後まで読んで理解すべきだとは思うのですが、
>まだ少しためらってます。機が熟すのをもう少し
>待ってもいいですよね?

いつか、知りたい気持ちになったときに読まれるので
いいと思います。
でも、子どものころに読んだものって鮮明に記憶に
残ってるものですね。読み返してみると挿絵とかも
全部覚えてるし。大人になってから読んだ本はたま
に読んだことも忘れてもう一回読んだりすることすら
あるのに(笑)。
Comment by 夏生 @ 2009/10/30 7:11 PM
お久しぶりです!色々ご心配かけて申し訳ない
元気になりましたのでw
これからも構ってくらさい

小さい頃は絵本とかあまり好きじゃなかったので
絵本の記憶がありません
子供を産んで絵本を読むようになって
とても素敵な作品に出逢いました
100万回生きたねこです
有名な本なので皆知ってるかと思いますが
読んだ後胸が(貧乳の)締め付けられる感じが
したのを覚えてます
この本は今でも読みますね〜



Comment by とも @ 2009/10/30 10:31 PM
こんばんは!
わざわざご挨拶ありがとうございます。
元気になられて本当によかったです。

ともさんはうちのブログの、ほとんど最初の
お客様なので…いつも(と言ったらおおげさ
かもだけど)どうしてるかなーと気になって
います。
なのでまた気が向いたときにふらふらと立ち寄り
気が向いたときに何ごとかつぶやいていってくだ
されば本当にうれしいです。
所在不明になったらまたガンガン特攻かけに
いくんでヨロシク!!
でも身体が資本なのであまり急に無理なさら
ないようにしてくださいね。

「100万回生きたねこ」
私もこれは、小さい頃じゃなくてちょっと
大人になってから読んだと思います。
本当に小さい子どもだとむしろこの本の

>胸が(貧乳の)締め付けられる感じ

がそんなにわからないかも…
乳もまだ出てないですし。
(や、乳関係ないけど)
Comment by 夏生 @ 2009/10/30 10:57 PM
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